日本健康レクリエーション学会の基本理念と目的について

健康レクリエーションの基本理念

 健康レクリエーション (健康レク) の基本理念は,人 間の精神的および身体的健康について多種多様なレク リエーション (レク) 支援活動を通して研究し,その成 果を個人を対象とする実践において適用し,心と身体の 疾病や障害の予防や健康の機能回復・増進に役立てるこ とである。ここで言う多種多様なレクサービス活動とは, ゲーム,ダンス,ソングに限定されることなく,各種ス ポーツ種目,フィトネス,リラクゼーション,音楽・美 術鑑賞,観劇,美術工芸など生活に密着した活動を意味 する。
 


 日本健康レク学会の基本理念と目的

 日本健康レク学会では,個人を尊重し,その身体的お よび精神的な健康に係わる諸問題を効果的なレク財を 意図的に活用し,予防および軽減を進め,さらに障害者 と呼ばれる人々,つまり余暇を楽しみ,社会に貢献する ことに身体的,情緒的,社会的および知的な能力を十分 発揮できない人々の健康の回復,保持および増進の発展 を図り,個々人のレク活動が生活の中に定着 (レクの生 活化) するように援助し,様々な活動領域に応じた健康 レク支援方法の確立,さらに,高度な健康レク支援を提 供できる専門家の育成および調査研究の実施を目指す。
 ● 様々な活動領域に応じた健康レク支援方法を確

 立するための調査研究を幅広く行う。

 ●  個人が自分自身の健康問題を意識し,その改

 善・   維持・増進のために行動できる力を獲得する

 ための健康レク支援方法を確立する。

  ● 身体的,または精神的健康になんらかの問題を

 持つ 人々に対する健康レク支援方法を確立する。

 ● 多様な価値観や社会のニーズに柔軟に対応で

 きる 心豊かな人間性を備え,専門的知識に基づい

 て健康 レクを実践できる人材を育成する。

  次に,本会の健康レク支援活動の在り方について,共 通の見解として受け止めるべき概念は,次のように考え られる。

1.健康レクは健康と関連があればどのような健康レク 支援知識も歓迎されるが,本会の健康レクは特定の レク財に固執しないで疾病予防法を主体にするも のであり,心と身体の病気や障害の予防のための健 康レクである。

2.本会の健康レクは個人の健康を対象とする支援であ り,日常生活を楽しむことが困難な人の機能回復を 援助することである。 3.本会の健康レクは,健康に役立つ知識をさまざまな 科学の研究成果の中に求めて関連づけ,その成果を 実践の場に活用する。 以上のように,本会の健康レクの基本理念と概念に基 づいて,私達が健康レク支援を進める戦略 (領域) とし ては以下のような内容が考えられる。

健康レク支援活動を進める戦略 (領域)

1.人の生命,生活,人生の質,すなわち QOLの向上 に役立つ健康レク支援方法の調査研究。

2.心と身体を癒すための健康レク支援方法の調査研 究。

3.不登校・閉じこもり児童に対する健康レク支援方法 の調査研究。

4.ストレスに関連した健康障害の予防,および,心的 外傷体験に対する効果的な対処行動の選択を目的 とした健康レクプログラム作成。

5.ライフサイクルに応じて人生の目的や意義を見出 し,主体的に人生を選択する過程(人間的健康), および福祉的ニーズを有する方々に対して生きが いの再構築を支援するための健康レクプログラム 作成。 6.生活習慣病予防および生活習慣病の治療に役立つ 健康レク支援方法の確立。

7.高齢者が健康で楽しい生活を過ごすために,つまず きや転倒防止等の健康レクプログラム作成。

8.総合型地域スポーツクラブにおける個人の健康づ くり支援方策の調査研究。

9.健康レクを本当に学びたいと願う人を対象に,より 高度なレク支援を実践できる専門家の養成。

10.新たな健康レク支援技術の調査研究。

11.実験的研究から健康レク支援効果を計る客観的評 価法の確立。

12.レク支援が健康者 (含む半健康者) の生理および 心理に及ぼす影響に関する基礎的研究 (科学的研 究)。

13.以上の各項目の諸成果を個人の健康の維持・増進・ 改善に還元する方策についての検討。